歩き続けて
私は今誠くんの部屋のベッドにいる

別に変なことはしてませんよ〜

寝ないのかな、誠くん

さっきから音量を絞って部屋を暗くしてテレビを見ている

私が後ろ姿をじっと見ていることも知らずに

――――部屋に入るなりいきなり誠くんに抱きしめられた

不意討ちだよねぇ

あんなことするなんて

でも

嬉しいよ


幸せだよ


誠くんとあんなことしたのは何回もある


けど

今日はどこか違った

うまく言えないけど……


だから思わず聞いちゃったんだよね


“キスしていい?”って

本当は誠くんみたいに不意討ちでもよかったんだけどね


やっぱり私には誠くんが必要なんだって

ずっと一緒にいたいな、って

より強く思った

だからプロポーズされた時はすごく嬉しかった

他の人にとられる程私は柔じゃありませんよ〜

もう一度ちゃんと私にプロポーズしたいって言ってたね

私はずっと待ってるよ

でも私だって時には思いがけないことしちゃうからね
びっくりしないでね

でもね、それ以上にもっと誠くんのことが知りたい


ねぇ、


いいでしょ?
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