君への距離
「だから大丈夫なんだ!じっとしてればすぐに治る…」




「そっか」

翼は安心したようだった。



「あたしず―っと膝が弱点だった。だいっ嫌いだったぁ!!」


杏が夕日に向かってちょっと叫んでみる。



「あははは」

翼がケラケラ笑う。



「でも…、今日だけは感謝だね…こうして翼くんの後ろに乗れたから!」



その杏の一言で翼の笑いは一瞬にして消えた。



二人の間に沈黙が流れ、辺りはただセミの声でうめつくされた。





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