良と遼〜同じ名前の彼氏〜
金髪のリョウヘイ
「ヤンキーだ〜」


舞子の第一声はそれだった。


栗色に染めた髪をお団子にして、膝まで黒のニットコートですっぽり包んでいる。


「しかし思い切ったねぇ〜
似合ってるじゃん」


大きくて丸い目は、興味深そうにあたしの金色の髪をみる。


「奈美のお母さん大丈夫なの?厳しいじゃん?」


「いいんだ。あたし家出したんだもん」


「まじで〜格好いいことすんねぇ。まぁ飲みながらゆっくり聞くよ」


そう言って舞子は歩き出した。


その日カシスウーロンを飲みながら、あたしは舞子に色んなことを吐き出した。


良ちゃんのこと、お母さんのこと、親父のこと…


舞子は一緒に怒ったり、励ましてくれたり、ただ聞いてくれたりした。


デザートを食べながら、


「それで奈美さ、今日はどうするの?」


ときいた。
< 11 / 75 >

この作品をシェア

pagetop