涙の落ちる場所。。(仮)
過去~出会い~
…やばい。緊張してきた。

洗面所の鏡の前に立ち、入念に髪型と自分の顔とにらめっこ。


「最初が肝心なんだから!」

「姉貴、何独り言言ってんだよ…気持ち悪りぃなぁ~」

1個下の弟、優が姉のえみを上から見下ろす。

「うるっさいな~!!ってかじゃまじゃま!…って、もう行かなきゃじゃん!」
急いで鞄を持ち、玄関へと急ぐ。


ロファーにきちんと足も入れぬまま、そのまま外へととび出した。




学校までは自転車で10分程度。私は朝が弱いので、家から一番近い高校にしたのだ。


「飛ばせば間に合うよね…入学早々遅刻はマズイもん…。」


私は全速力でペダルを漕いだ。お陰で家から出て5分で学校に着いた。それでもギリギリ。
急いで自転車置き場に自転車を止め、校舎へ向かう。




…向かってる途中にふと思う。




「…あれ??私ってクラスどこだろ…」
"わかんない…どうしよう…"

入学式前に貼り出してあるはずのクラス発表の掲示板が無い…




「やっべぇ…俺クラス分かんねぇや…まずいなぁ~」

"ん??"

私の背後から、今の私と全く同じ状況に立っているらしい男の声がする。
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