last Wish〜最期の願い〜
「あみ、帰るか?」


「え、何で?」


拓は、空を見上げたまま答えた。


「暗くなると、ちょっと俺、やばいから」


私は、拓のいう「やばい」の意味が


何となく分かった気がする。


暗くなると、何か…


積極的になっちゃうよね。


「その変わり、手繋いで帰ろ!」


拓が、やっとこっちを向いて笑った。


「しょうがない、帰るかッ」


私も笑った。



拓が私の手を握った。


「あみの手、温かいね」


私の心臓がドキンと鳴る。


「温かいのは、拓の手だよ」


「俺、普段は手冷たいけど、あみと手繋いでる時だけ、温かいの」


拓が恥ずかしそうに笑った。


「私も、拓と居る時だけだよ」


拓と同じキモチ。


嬉しいな……
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