あたしのご近所さん。
社会があんなに好きなら、もっと深く勉強すると成績あがるに決まってる。

どうせ勉強するんなら、成績あげるためにしなきゃな。

すっかり有田は社会好きだと思っていた。




ガラッ



ドアを開ける音が静かな教室に響いた。

有田は席に座ってニコニコしている。


「先生、おそい!」


有田は唇を尖らせ、ブーブー言った。

「ごめん、ごめん。1対1だし、黒板使わずに教えるな」


誰のかはわからないが、その辺の机を有田の机の横にくっつける。


「家庭教師みたいだね」


と有田は笑った。
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