空色パステル
―大好き
長かった高校生活も終わり、
あたしの手には卒業証書と花束とメッセージカードが握られていた。
「七海~っ!!」
3年間同じクラスで、毎日を共にした親友の名前を呼ぶ。
「み…みひろぉ……!!」
七海の顔は涙でぐしょぐしょになっている。
今、七海は遼と付き合っていてもう少しで結婚するらしい。
そして…あたしは。
「美緩、卒業式だから彼氏のこと教えてよっ……!」
拓弥との約束通り、卒業式にみんなに教えるんだ。
「あたし、結婚するんだ♪
拓弥!来てっ」
拓弥を呼ぶ。
人混みの中、拓弥はあたしを見つけ走ってくる。
「七海、この人があたしの彼氏★
…ていうか、旦那さん^^」
「旦那さん……?!
この人って…学年トップでモテモテって有名な……
寺脇先輩だよね?!」
うん、と頷くあたしと拓弥。
「こんにちは★」
拓弥が軽くあいさつ。
「もしや……
入学式の時から結婚してた?!」
またまた、うん、と頷く。
七海は驚きすぎて声が出ていない。
「結婚式呼んでねっ!!」
ぱたぱたと手を振り、あたしの肩を叩く。
「七海もだよ♪??」
あたしが言うと、七海は真っ赤になって頷いた。
そして、お互いの小指を絡めて“指切りげんまん”をする。
「またねっ!!たまには連絡ちょうだい♪
卒業おめでとっ
美緩、大好っき^^★」
七海は笑顔で手を振って走って行った。
「美緩、卒業おめでと♪」
拓弥が笑顔で言う。
「ありがとう★」