空色パステル

―想い



ブーブーッ…


携帯のバイブが鳴る。




液晶を見ると


『新着メール受信 尚』

の文字。




「…あ、まだ呼び捨てのままだった…」


ふと呟く。



そして携帯を開く。



『俺、彼女いるから。
お前も早く新しい人見つけろよ』



一瞬身体が硬直した。


怒りがふつふつと沸き立つのが分かる。




『わかってる』


と一言の返信。




携帯のアドレス帳を開き、尚のところにたどり着く。



削除ボタンに指をのせる。



一度深呼吸をする。
そして…




ポチッ…




勇気を出して削除ボタンを押す。




…もうこれでよかったんだよね?




「…尚、あなたは最低だよ…」



一言呟く。




携帯の中の尚に関わる全てを消した。




こうすれば少し楽に慣れる気がした。


もう尚とは関わらない。

そう決めた。




あたしは、携帯のメモリに新しく遼を登録した。




…遼



また遼の笑顔が浮かぶ。




どうして?


遼が最近、夢にだって出てくる。



あたしは遼のこと全然知らないし、

遼もあたしのことを知らない…。



わかってるのに…



この気持ちは何?





……生まれて初めて知った、本当の恋。



遼を見ると、ドキドキが止まらない。



尚の時はこんなことはなかった…




これが…
みんなの言う、『恋』ってもんでしょうか?






< 12 / 129 >

この作品をシェア

pagetop