空色パステル
「へへ^^ そうかなぁ?」
精一杯の明るい声で言えたかな?
あたしは何も変わらないよって
伝わったかな?
『―おぅ★
―…美緩…あのさ……』
時間を置いて、何かを話し出す拓弥。
「うん…?」
『―黙ってたら耐えられなくなると思うから…
今言うな??』
2人の間に微妙な雰囲気ができる。
『―…あー、やべえ…
なんか泣けてきた……
……率直に言うな?
俺さ、まだ美緩のこと……
好きみてえだわ』
心臓が高鳴るのが分かる。
『―…だから……さ、
美緩に辛いこととかあったら
相談できるようなヤツでいてえんだ、
なんだ…?その…
美緩にとって、
兄ちゃんみたいな存在でいたいってわけよ』
「…うん」
『―なんかあったら
いつでも俺んとこ来いよ?
俺は美緩の兄ちゃんだから』
拓弥の思い、痛いほどわかった。
自分の幸せより、
あたしの幸せを願ってくれた。
あたしの大切なお兄ちゃん。
「拓弥…ありがとね?」
『―なんかごめんな?
風の噂で彼氏できたって聞いて…
幸せならそれでいいんだ^^
美緩の幸せは、俺の幸せ★
ほら、兄ちゃんだから♪』
「…ありがとう…」
自然と涙が溢れた。
それは、拓弥を信じた証拠。
先輩としてではなく
友達としてではなく
一人の男性としてではなく
あたしの大切なお兄ちゃんとして。
『―あー!泣くな!!
こんなバカみたいなこと言った俺が悪かった!
ごめんな?
だせー兄ちゃんで』
「…ださくないよ★」
『―甘えん坊な美緩の彼氏に
挨拶しなきゃな^^』
重苦しかった雰囲気も
拓弥のおかげで明るくなった。
拓弥…ありがとう。
あたしの大事なお兄ちゃん…