夜空に咲く、花。
月日は流れて。

約束。

―数年後―

 「おばちゃん、お久しぶりです」
 「あら…、ええと…」
 「お婆ちゃんとこの隣の修太です」
 「ああ!修ちゃん!優紀子の面倒をよく見てくれてたわよね…」
 「ええ。昔よく遊ばせてもらいました」
 「大きくなったわねぇ…今日はわざわざ?」
 「いえ、今こちらの大学なんです。だからあっち帰る前にお墓参りしておこうと思って」
 「もしかして毎年来てくれてる?時々私たちが来ると、もう花が添えられてることがあって、不思議に思ってたの」
 「あ、まぁ…一緒に花火見る約束してるんで」
 「花火の約束?」
 「ええ。毎年一緒に見る約束したんです」
 「…約束…?」
 「はい。あ、その水桶借りていいですか?僕、片付けておきますよ」
 「あらいいの?じゃあ頼んじゃおうかしら。私お住職さんにご挨拶行くから…」
 「久しぶりにお会い出来て、お元気そうでよかったです」
 「それじゃあよろしくね」
 「はい!」

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