大好きって言ってよ
待ち合わせの場所に来ると

優哉がいた。

「おまたせ!」

「美香!」

さっきまでの

曇り顔から、笑顔…

嬉しいな。

「待った?ごめんね」

「大丈夫。なんか、早く着きすぎちゃって…」

なんか

ズルい。

優哉。

そんな風に言って

『俺の方が好きって気持ち大きい』みたいに…

私の方が大きいもん。

「じゃあ、行こうか!」

「うん」

私は、優哉の手を握った。

優哉の顔は赤くなった。

私も赤くなった。

でも、

優哉は

強く握り返してくれた。

その強さが嬉しくて

その強さ分

嬉しくて

嬉し泣きしそうだった。
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