姫君諸君へ告ぐッ
「どうかしたんですか?宝城様」

女子群が問いかけてきた。

「あのさ、敬語とか様付けとかしなくていいよッ」

「いいえ、それは失礼すぎます。」

あっさりと押し切られた。


周りでは女子達がキャーキャー騒いでいる。


「慣れないなぁ…」

ていうか今までの俺の人生って… 

「ヨーッス!大ちゃん!」

バシッ!!!

俺にとってはいつものことだけどなぜか視線を感じる。

「なにあの子…宝城様になれなれしく!」


「幼なじみとか言ってたっけ?調子乗りすぎ。」

女子達がヒソヒソと話し始めた。 

明李なら言い返すはずだが…

明李は泣きそうな顔をしていた。

「ゴメンッ邪魔だったかァ!先に行くね…」

弱々しい声で言うと走り去っていった。

「フフフ、泣いちゃった」

「よっわー…なにが幼なじみよ!」

俺はその言葉に言い返せずただ黙って立っていることしかできなかった。
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