姫君諸君へ告ぐッ
急かすように言うと二人の前を歩いた。


カランカランコロン♪

駅前の喫茶店にはいる。

ドアに付いた鈴が綺麗なハーモニーを奏でた。

入り口近くにあった席に座った。


「ご注文はございますか?」

可愛らしいフリフリの服を着た店員がたずねた。

適当に応えると『かしこまりましたッ』と頭を下げて席を離れた。

「いいなー、真綾、ここのお店の制服着てみたァーい」


思わず想像してしまう、真綾の制服姿。

「可愛いだろうなァ」

隣で遥がボソッと呟く。

店員がどうぞと水を持ってくる。


「ふにゅん、ひとつ言って良い?」

俺の方を向いて言った。

「何?」

「宝城くんのこと好きかもにゅん」

飲んでいた水を大胆に吹き出す。

「ゲホッ…今このタイミングで言うことか!?」

「だーってぇそっちがリアクション大きいだけぇ…告白のひとつやふたつで」

嫌みなのかよくわからない。
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