姫君諸君へ告ぐッ

想いと思い出

パタン…

部屋に入ると真っ先にベッドに飛び込む。


『宝城くんのこと好きかも』

そのときの光景がフラッシュバックする。

「好きかもって…」

面と向かって言われたのは初めてだった。

「なんてこたえれば良いんだぁ!?」

髪の毛をグチャグチャにかき回す。 

「おにーいちゃーんッ!ごはーん」 

小6の妹・琴美(ことみ)の陽気で幼い声が耳に届く。

「今行くよ」

適当に返事をしてまたベッドに倒れ込む。

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