梟~幼少編~
『何であんなものが幼い梟悦にあるんだ?
威白さんか?龍峰さんか?あの刺青を彫ったのは』

そんな事を考えながら梟悦の後を追った。

「よくひーーー。広いねぇ!」

中で梟悦は湯船の中で泳いでいた。

「おい!あの小僧はお前の子供か!?躾がなってねぇな」
「なにやってんだ親はよーー」

入ってきた翼飛に対して中にいた客からヤジが飛び交った。
無言になり翼飛はズカズカと梟悦のもとに近寄った。

バシャバシャ

「梟悦」

そう言うと翼飛は梟悦の首元を掴み浴槽から出した。

「ほれ、皆さんに謝れ」

持っていた首元をグイッと下げて翼飛は無理やり謝らせた。

「皆さんすいません。こいつまだ教育が行き届いてないもんで。言い聞かせますから」
「すいませんでした…」

梟悦も小さな声で謝った。
その後そっと翼飛の方を見た。
身長差がかなりあるためすぐ横にいる翼飛はどんな顔をしているのか全然わからなかった。
ただ、怒っていることはだけはわかった。
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