梟~幼少編~
「曹先生はそんなことを…。困った御方じゃ」

威白は族長に真生から聞いたことを全て言った。

「曹先生を改善させたところで梟悦は学校へは行かないでしょうね」
「うむ…」
「俺が教えてもいいですが…」
「主は付きっきりでは無理じゃ。武隊のほうがある」
「では誰か梟悦に勉強を教えてくれる人はいないでしょうか」
「専属の教育係を付けるということか。なかなかいい案じゃ。そうじゃな…」

沈黙が続く。

「おお、おった」

口を開いたのは族長。

「どなたです」
「翼飛じゃ。郭翼飛。奴は怪我で療養中じゃ。それに文武両道のあ奴なら大丈夫じゃろ」
「翼飛ですか。しかし引き受けてくれますかね?」
「言ってみよう。だめもとでな」

そう言って族長は翼飛の家へと向かった。

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