妹の恋人は姉の彼氏の従弟

郵送ジャージ

「なんじゃ、こりゃ」

部活を終えてマンションに帰ってきた私は
部屋の入口に置いてある段ボール箱に
目がいった

部屋の侵入を阻むかのように
置いてある段ボールを私は足で蹴りながら
部屋の奥へと押していく

意外と軽い?

持ってないから
わからないけど
箱が大きいわりには
スムーズに横移動をしてくれた

私が置く荷物のスペースに
鞄を置くと
スポーツバックを持ったまま
部屋を出た

洗濯機の前に立つと
急いで洗濯を始める

明日また部活で使うのだ
元気のあるうちに洗濯を終えたかった

「おかえり、夕飯できてるよ」

お姉ちゃんが居間から
顔を出すと
大きな声を出していた

「夕飯の前に
走りに行ってきます」

居間から
大男が出てくる

お姉ちゃんに
声をかけてから
海堂彰吾は私の首根っこを
掴んで部屋に向かった

「ちょ…ちょっと
私は部活で疲れているんだ

走りに行くなら
一人で行ってきてよ」

「やだ」

海堂彰吾は部屋の中央に置いてある
段ボールを力づくであけると
私にピンク色の塊を投げてきた

な、何?

私はキャッチした塊に目を落とした

ブランド物のジャージだ

しかも女もの
女?

なんで?

「実家」

「じっか?」

「送ってもらった」

「なんで?」

「必要だろ?」

「は?」

「走りに行くのに」
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