妹の恋人は姉の彼氏の従弟
部屋中で
呼び鈴が鳴り響いた

「やっと来たか」

廉人さんが立ち上がると
玄関に向かって歩いて行った

「遅かったなぁ
おばさんから連絡があったのは
昨日だぞ?」

廉人さんの明るい声が聞こえるが
従弟と思しき声は
ぼそぼそと話しており
どんな声なのか
どんな話方なのか
さっぱりわからなかった

「中に入れ
今日は、バスケの選手も一緒に
夜をあかせるぞ」

廉人さんの姿が廊下から見えると
その後ろから
廉人さんの身長とあまり変わらない男が
歩いてきた

は?
本当に中学生か?

…中学生の身長かよ!
私より大きいんですけど

「女か」

ぼそっと客人が呟いた

「おっ!
よくわかったな
女バスのエースらしいぞ」

廉人さんは目を輝かせて言った
確かに見た目は
男と見間違えられるほど
男っぽいけどさ

ちょっとひどくない?
男と間違えるかどうか
従弟を試したでしょ!

…って廉人さんの従弟
よく私が女だってわかったなぁ

「木下紫音です」

私は不満そうに自己紹介をした

「廉兄の女?」

また客人はぼそっと言う

はっきり話せよ!
男だろ

「彼女の妹だ」

「だよな」

むかっ
『だよな』って
どういう意味?

『だよな』って納得すんなよ!
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