ネコガールの恋
そこに立っていたのは、さっき写真を
撮ってくれた、「ゼーゼー」の男性カメ
ラマンであった。

なかなか愉快な男の子で、撮影の間中、
冗談を言ってネコガールたちモデルを
笑わせ、リラックスさせていた人だ。

「はい、なんでしょう?」

ネコガールが、あながち営業スマイル
でもない、ちょっと好意のこもった笑顔
で返事をすると、彼は満面の笑みを
たたえ、こう言った。

「さっきは仕事に差し支えるかと思って
 言わなかったんだけど、俺は大火
 (たいか)だよ!

 ほら、小学生のとき、近所にいた
 だろう?」
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