◆遊園地の支配人◆+。





遥々しく桜が舞い散る景色の中、俺はクリーニングに何回も出した四ヶ月前買ったスーツを身につけ、谷島高校に向かう。

同じ道を歩いてる女子高生は、新しい先生かな、かっこいい、楽しみとか耳打ちで話してるのにバレバレだ。そんなのとっくに聞こえている。


聞き終えたら爽快に走り抜ける。
そして高校に着くなり、挨拶して、話をして、朝会の前に体育館で椅子に座っていてくれと校長に指示され、俺は他の新しい先生達と体育館へ渋々向かう。


「よろしくお願いします」
いきなりそんなこと言われて驚いて、後ろを向くと美人な先生。

「あっ、私は新人ではないですよ、一昨年ここに来たんです」
黒目がちな瞳が綺麗だった。

「そうなんですか……」
俺はその瞳に吸いつく。

「それで私、音楽の授業の先生をやっていて部活の顧問も私なんですけど……山水さんも顧問になってもらうんです」
驚きだ。俺は音楽にまったく興味がないし、野球部顧問に期待していた。

現実はこんなのなのか?







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