青春ing
「私、思うんだけどさ。佐桜花はスカート穿くのに抵抗あるでしょ?」

「ある、凄くある!人様に太い脚を晒すなんてありえない!!香子みたいに細かったら、むしろ出して下さいって感じだけど……」



 コンビネゾンとやらから見える、香子の小麦色の脚。引き締まったふくらはぎや太ももがとても健康的で、さっきから男の人の目を引いている。だから、その隣に居る自分がとても恥ずかしくなった。

 やっぱ、短いスカートとかズボン穿かないと、女の子らしくなれないのかな……でも、脚出すのは勘弁だし。心の中で葛藤していると、香子の声がする。



「いやいや、あんたも運動してるんだから、太い訳じゃないでしょうが。
でもまぁ、無理に出さなくて良いんだよ。露出すれば良いってもんじゃないし、それぞれ自分に合うお洒落ってもんがあるからね。」



 “自分に合うお洒落”、か。あたしにも、そんなものがあるのかな。ジーンズ好きだから、スカートやワンピースみたいなひらひらしたのは、結婚式とかの特別な行事だけにしたいんだけどな……

 その時、横を歩いていた香子の足が止まった。彼女の視線の先には、一軒の服屋。そのお店は、“As I Am”(ありのままの私)という名前だった。
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