【実話】ありがとう…。
「今回の事は、報告書を書いて提出して貰います。そして皆に報告します」



「意味が分かりません。何の為に報告書を提出して、皆に報告しなきゃいけないんですか?」



「今回は、それだけ周りに迷惑掛けたんです」



「迷惑掛けたのは分かります。でも報告書を書いたり、周りに報告するのには、納得出来ません!!仕事があるので失礼します」

頭を下げ、部長室を出てからも、何かを叫んでいたが聞こえない振りをし、病棟に戻った。





何を考えているのか分からない。

昨日、やっと葬式が終わったばかりなのに…。

私の気持ちなんて、どうでもいいんだ―。

辛くて堪らない…。

気を張ってないと、今にも涙が溢れ落ちそうだ。

たかさん…会いたいよ。

おいでって抱き締めてよ。

もう…たかさんの居ないここには居たくない―‐。




詰所に戻ると、美子が話掛けて来た。


「望さん、大丈夫?」



「うん」



「昨日さー、望さんの携帯の番号聞かれたんだよね。知らないって言ったんだけど、『仲良いのに、知らない訳無いでしょ!』ってしつこくてさ。勿論、仲良いけどアドしか知らないって、シラ切った」

って笑った。


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