【実話】ありがとう…。
たかさんね、私が心配で逝けなかったんだ。困らせるつもりは無かったって。病気が治ったら、結婚しようと思って…くれてたんだ」


又、泣きそうになる。


「そっか…」



「うん…。ごめんね、迷惑掛けて…。だからもう、たかさんはあっちの所にも来ないと思う」



「気にすんなよ。俺は大丈夫だから…」



「そろそろバスの時間だから、切るね」



「うん、じゃあな」


携帯を切り、バスに乗り込む。


来た時とは違う気持ちで帰路に着く。


家に着くと、もう7時近かった。


「疲れたね…」



「お風呂入って、早めに寝たら?色々あって疲れてるんだから」



「疲れてるのは、お母さんもでしょう?」



「お母さんは大丈夫だから、先にお風呂入りなさい」



「うん」


お風呂に入り、自分の部屋に行く。


ガラステーブルの上に飾ってある、たかさんの写真に話掛ける。


「たかさん…。今まで、沢山心配掛けてごめんね…。私はもう大丈夫だから。今まで、ありがとう!」

写真の中のたかさんが笑った気がした―‐。


「今日は疲れたし、寝よう」


久し振りに穏やかな気持ちで、ベッドに潜り込んだ―。


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