【実話】ありがとう…。
「うん、友達から聞いたの。のんちゃん浜田君知ってるよね?」



「うん」



「偶々飲んでる時に会って聞いたの。のんちゃんと篤がつき合ってたって。最近、別れたんだって?」



「うん…色々あってね」



「アイツ、もう女居るよ!」


耳を疑った―。


「エッ?だって1週間前に別れたばかりだよ…?まさか…」



「同じバンドの女だって。何だかその話聞いたら、頭にきちゃってさ!のんちゃんに教えなきゃって思って電話したの。知らない方が良かった?」


知らない方が、本当は良かったのかもしれない。


でも…斎藤さんは、私の事思って教えてくれたんだよね。


「ううん。教えてくれてありがとう」

そう言って電話を切った。


斎藤さんが嘘付いてるとは思わない。


でも、本人に確認したかった。


携帯を握り、あっちに電話を掛けた。


プルルルルルルッ。プルルルルルルッ。


「はい」



「あっち、元気だった?ねぇ、彼女が出来たって本当?」



「あぁ、彼女じゃないけど、守ってやりたい女は居る」



「そう…なんだ…」


もう、私の事なんて、忘れたんだ…。


「お前、その話どっから聞いた?」


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