【実話】ありがとう…。
‡第十四章 貴方への懺悔‡
だから、たかさんはあんな事したんだよね…。


私がこれ以上苦しんだり、傷つかないように。





ごめんなさい…。

だから早く気付けって、あっちにあれだけの事、したんだね。



たかさん…。


酷い事いっぱい言って、傷つけてごめんなさい…。




暫くすると、玄関のチャイムが鳴った。


また兄が様子を見に来たみたい。


下へ降りると、

「お前、最近どうなの?」



「何が?」



「何か、たかの事があって別れたんだろう?」



「うん…」



「たかは、別れた男が気に入らなかったんだろうな」



「………」


たかさんは、こうなるって分かってたんだよね…?


だから試したんだよね…?


結局、あっちは私から離れて行った―‐。


あんな男、望が傷つくから…って警告だったのに、それさえも、気付けなかった―。




「死んでから、相手に何かするって事は、自分もそれなりの代償を払わなきゃいけないのにな…。分かってても、守ってやりたかったんだろうな…望の事。俺もさ、同じ立場になったら、同じ事すると思うから」


兄の言葉が胸に刺さり、何も言えなくなった。


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