【実話】ありがとう…。
部屋へ着くとたかさんの姿が病室にない。


喫煙所、洗面所。居そうな所を探しても居なくて、仕方なく病室へ戻る。


少しすると、たかさんが戻って来た。


「おう、来てたのか!」



「どこ行ってたの?探したんだよっ」

少し不貞腐れて言うと、

「わりぃ。ダチが昨日、事故ってここに入院したって聞いたから、顔出して来たんだ。明日から、札幌だしな」



「友達、怪我酷いの?」



「鼻折ったのと、あばら骨いったみたいだな。アイツの事だから、女に見とれてて、運転誤ったんだろ」

ってケタケタ笑った。


「そうだとしても、言い過ぎ!怪我してるんだから。あっ、お土産!親がたかさんに持って行きなって。たかさんの好きな若鳥♪」



「おお、Thank you!」

って凄く嬉しそうに笑ってくれた。


「あっ、望ベッドに座れ!」



「何?」



「良いから!!」

と言って、床頭台の中からカメラを取り出す。


「写真撮ろうぜ!今日でここも最後だし、記念に。なっ?」



「うん!」

ニッコリ笑って、お互いの頬を寄せあい撮ろうとした瞬間、ドアがノックされる。


「チッ。誰だよ」

とご機嫌斜めになるたかさん。


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