落日
悲しいから、とか、寂しいから、とか。
そんな悲観的な理由でないことは確かだ。
「俺はきっと、依子を幸せにするから」
「――……うん」
なぜ、そんなことを突然言ってきたのか。
その答えを知るのに、そう時間はかからなかったことを、この時の私はまだ知らなかった。
程なくして、聡はカフェでの仕事を続ける一方で就職活動を始めた。
――真っ当な職を得て、安定した収入を得たら結婚しよう。
私と聡の夢まで、あとどれくらいあるのかは分からない。