自衛隊と謀略
「おいオヤジ」
「俺に村井を継がせるってぇのは本当かよ」

戦児は‘オヤジ’の部屋に入り込むなり
声を張り上げた。

「あぁ、本当だ…」
「戦児、今我が団は今『梨浦暴力団』と
『宮神暴力団』を潰す為に
協定を結んでいるのは知ってるな」

この、オヤジはいつも村井暴力団のことを『我が団』と言う。

「そんなこと
馬鹿でも承知のこったぁ」

「しかし我が団には、梨浦暴力団に加勢出来るほどの軍力がない」

オヤジはため息をついた。
今、
村井暴力団の中では村井暴力団を乗っ取ろうとする
『謀反』
が後をたたない。
その『謀反』鎮圧するのと同時に、
この事を周りに漏らさないようにしなくてはならなった。
無論
周りの暴力団から
これを期に潰さん。
と言わんばかりに、
謀反の集団に加勢しないとも限らないからだ。

また、
梨浦暴力団からの
『協定破棄』
も充分に考えられた。


「その為
この『村井の虎若』
にこの村井を継がせる」

「ありゃ、
『村井の虎若』
って誰だ?」

戦児は、
よく暴力団の
『若』
ににあわぬ奇妙な声を出すことがある。
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