FIVE STAR
「あいつはあいつなりに美優のことが好きなんだと思う。軽い気持ちとかじゃなくて…な」
「うん…」
「だから、そんなに軽蔑してやんな。それだけ」
紀里…。
「じゃあな。さみぃから、早く部屋に戻っとけよ?風邪引くなよ」
そういうと春樹は立ち上がって、私に背を向けた。
あーあ…私振られちゃったんだ。
そっか…彼女いるもんね…。
不思議と涙はもう出てこなかった。
ありがとう、春樹。
春樹がマンションの中へと消えたと同時に私も立ち上がって、マンションに向かう。
明日、学校だ。
いつも通り、潤也と一緒に…。
潤也と一緒…か。