【短編】少年A・少女A
「……〜♪♪…キャッ」
『ドンッ』
スキップしながら曲がり角を曲がろうとした時、突然現れた人にぶつかった。
『カランカラン』
その衝撃で少女は地面に尻餅をついてしまい、ナイフの入った大事な大事な袋を落した。
「……―ッ…イタァ…」
「……痛いじゃないだろう!先にきちんと謝りなさい!それにいい歳の若者がスキップなんかしないでちゃんと前を見て歩きなさい!これだからこのごろの若者は……」
ムッ―…………。
「おじさんだってぶつかったんだから…それに若者をそんなに批判しないで下さい。そういう大人がいるのもどうかと思いますよ。」
少女はなめていた棒ちきキャンディーを握りしめながら、おじさんを軽蔑の瞳で睨んだ。
何よ。
せっかく、いい気分だったのに。
最悪。
ナイフ落としちゃったし。
もし傷でもはいってたら弁償してもらわないと。
少女の軽蔑の瞳と態度、言動が気に入らなかったのか、おじさんはまた少女を叱り飛ばす。
「聞いているのか!」
…うるさい。
「若者はフラフラしないで…」
…うるさい。
「おいっなんだその態度は!」
…うるさい。