恋のありかた

この学校で一番落ち着く場所

それは屋上。
ベタな学園ドラマや漫画のような感じだけど。
昼休みや放課後、よく使う。
あとサボりにも。
立ち入り禁止とされていたけど、三月が鍵をパクって開けた、2人だけの場所だった。
ドアは閉めているし、誰もが鍵がかかって入れないって思うだろう。
この場所が、私は好きだった。


呼び出される事もない、嫌がらせされる事もない、外のうるささもない
ボロボロのドアを押すと、広がる、空の青と冬独特のにおい、冷たい風。
あらかじめ持ってきておいた、ココアとマフラーと携帯。


寝転がって、空を見た。
どこまでも青い。


「セツいた」

「えっ」

ふいに聞こえた声に驚いて体を起こすと、ドアから出てきた、三月がいた。

……なんか、気まずい。

「……いたけど」

「教室のぞいたら、いなかったから」

三月も隣に座って、いつものようにヘラヘラと笑った。



「何で探すの。」


 ――なんで、探すの。

そんな事、今まで一度も思わなかった。

……なんか変だ、私。


三月が驚いた顔を隠さないまま、私の顔を見つめた。

「何で……だ、ろな」

そしてまた、くしゃっと笑う。

「わかんね。」


心が

かき乱される。

どうしてだか

気持ち悪い。
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