シィ君のサンタクロース
「ほんまは、学校離れて、オレ全然余裕ないねん。千春の周りにオレの知らん男がいっぱいおるんやなぁ……って考えたら、不安になる」


「シィ君、そんなこと心配してたん……?」



それはわたしも同じだった。

同じ学校で過ごした高校生の頃と違って、今わたし達には別々の生活がある。

シィ君はそこで誰とどんな話をしてるのかなぁ…とか、

わたしの知らない女の子と仲良くしてるのかなぁ……とか想像するだけで、胸が痛くなるんだ。



「わたしの頭の中は、シィ君でいっぱいやで」


ちょっと恥ずかしかったけど、正直な気持ちを伝えた。


シィ君は「うん。わかってるねんけどな」ってにっこり微笑んだ。


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