クリスマスの甘い約束



まさか…もういないよね…今頃、あの女とデートしてるもんね…



そう思いながらも、家着から外着に着替え、コートの袖に腕を通していた



いるわけない…いるわけない…だって、もう10年も前のことだし…



仁志もいい加減学んでるはず、待っても来ない人は来ないってことぐらい



だけど、この不安はなんだろう…待ってるわけないよ…



こんな寒くて、雪だって降ってるし…もう8時だよ?仁志が私に電話掛けてきたのは朝の8時…10時間ぐらい経ってるはず…


冷たい風の中、必死に『日の出公園』まで走る私



はぁ…はぁ…



息を切らしながら、公園の中を見渡す



や、やっぱりいない…よかった…



家に戻ろうと思った時…



「くしゅんっ」



ば…馬鹿じゃないの…?



くしゃみが聞こえた方向を見ると、電灯の下のベンチで頭の上に雪を積もらせている仁志がそこにいた



なんで…待ってるのよ…



少しずつ少しずつ、仁志の方にへと歩く



そんな私に気付いたのか、顔を上げてニッコリ笑いかけてきた



そのとき、私は仁志の異変に気付いた





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