恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
だけどあたしは目を逸らして、無言でアイツの手を振りほどくと、空間の一点を見つめながら、こう言った…。


「忘れなきゃ……あたし、ハッピーエンドになれないじゃん……」


「ハッピー……エンドか……」

アイツは淋しそうに笑った。

「残念だが……今のお前の行く先にハッピーなエンディングは用意されてねぇ……」

そうつぶやいたアイツの声を…、


「間宮さん、コピーとるのに、いったいいつまでかかってるのっ?」


…と叫ぶ女のヒトの金切り声が打ち消した。

振り向くと、そこに眉間にシワを寄せた佐野さんがいた。

「アレ? 剛は…?」

「ゴー…?」

「今ココにジャージ姿の金髪の男のコがいましたよね?」

「そんなヒト、どこにもいないわよ。あなた、ハクチュームでも見てたんじゃない?」

「“ハクチューム”…ってなんですか……?」


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