恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~
「え…?」

父の言ってる意味が全然分からない。

「一応“はじめまして”だよね? 直接、会うのは今日がはじめてだから」

そう言ってにこやかな頭を見せる看護師さんだったけど、あたしには何がなんだか分からなくて…、

「は…はじめまして…」

…って答えることしかできなくて、微笑み返すことさえできなかった。

「父さん、このヒト…」

「安達先生を紹介してくれたヒトだよ」

「あぁ、このヒトが」

ようやく事情が飲み込めて、ようやく笑顔を見せることができた。

「申し遅れました、江波園子です」

彼女があたしに頭を下げると、あたしも立ち上がって…、

「ムスメの毬です」

…と彼女に向かって頭を下げた。

「江波さんのおかげで、毬と安達先生がお見合いをすることになったワケだし、そういう意味では、江波さんは二人にとって恋のキューピッドってことになるな。お前も、よぉくお礼を言っときなさい」


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