幻妖奇譚
『もしもーし?』
受話器から聞こえるあたしの声に、必死に手を伸ばし助けを求めようとする光江。
「……す……て」
“助けて”?
まさか“助けて”って言いたかったの?
……あたしに助けを求めたの?
……さんざん馬鹿にした相手に助けを乞うの――?
「……ふざけるな、このクソ女」
憎しみが……真っ黒い感情がどんどん湧き上がって来る……!!
「あんたなんか……あんたなんか、この世からいなくなっちゃえ!!」
あたしがそう叫んだ時――突然、眩しい光が飛び込んで来た!!
目を開けていられないほどの強い光――!!
凄まじい轟音に近隣の家々から住人が顔を出す。
「じ、事故だ――!!」
「トラックが……公衆電話に突っ込んでるぞ!?」
突然だった。サキに手を引かれ、電話ボックスの前のカーブミラーに間一髪であたしたちは逃れた。
……中にいた光江はどうなっているんだろう?
しばらくして、誰かが通報したパトカーや救急車が到着した。
運転していたドライバーは重傷は負ったものの奇跡的に生きていた。
レッカー車が到着し、電話ボックスを押し潰していたトラックが移動された。
「……うっ!?」
トラックの下敷きになっていた電話ボックスに目を向けたレッカー業者が即座に目を背けた。
受話器から聞こえるあたしの声に、必死に手を伸ばし助けを求めようとする光江。
「……す……て」
“助けて”?
まさか“助けて”って言いたかったの?
……あたしに助けを求めたの?
……さんざん馬鹿にした相手に助けを乞うの――?
「……ふざけるな、このクソ女」
憎しみが……真っ黒い感情がどんどん湧き上がって来る……!!
「あんたなんか……あんたなんか、この世からいなくなっちゃえ!!」
あたしがそう叫んだ時――突然、眩しい光が飛び込んで来た!!
目を開けていられないほどの強い光――!!
凄まじい轟音に近隣の家々から住人が顔を出す。
「じ、事故だ――!!」
「トラックが……公衆電話に突っ込んでるぞ!?」
突然だった。サキに手を引かれ、電話ボックスの前のカーブミラーに間一髪であたしたちは逃れた。
……中にいた光江はどうなっているんだろう?
しばらくして、誰かが通報したパトカーや救急車が到着した。
運転していたドライバーは重傷は負ったものの奇跡的に生きていた。
レッカー車が到着し、電話ボックスを押し潰していたトラックが移動された。
「……うっ!?」
トラックの下敷きになっていた電話ボックスに目を向けたレッカー業者が即座に目を背けた。