魔法使い千羽羽
あたしの誕生日の夕方、数名の生徒がゆくえがわからなくなったの。先生から頼まれて透視とテレパシーをやったの。生徒たちは遠くの雪山にいたわ。あたしは、一人の先生と一緒に迎えに行ったわ。途中、雪が吹雪になってしまったの。そして、先生は吹きだまりに落ちてしまったの。ホウキがないから浮遊術使えないし、右足を挫いてしまってた。あたしは迎えに行く生徒が避難した山荘に行ったの。ここからお話にするわ。

どんどん……

バタン

「先生が吹きだまりに落ちてしまったの。力をかして」

「吹きだまりに!俺たち、まだ4年生だからたいした魔法使えないんだ。それから電話も不通だよ」

「あたしも4年生よ。たいした魔法使えるか使えないかやってみなきゃわからないじゃない」

あたしは地団駄をふんで怒った。

「でも、吹雪だしな」
「うん、そうだよね」
生徒は頷きあっていた。

「俺が手伝おうか?ちょっとした魔法は使えるぜ」

暖炉の影になったソファーから男が立ち上がった。振り向いた顔はけっこうハンサムだった。

あら、いい男……と考えてる場合じゃない!
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