一拍入魂〜スタンドにて〜
部室
俺は放課後、応援団の部室の前にいた。
今日から仮入部だと言うのに部室の前は静かだった。
それに比べて野球部は仮入部希望者が多くて入団テストをやるという噂を聞いた。
「やっぱり野球辞めて良かったかもしれない。」
そんなことを考えていると部室のドアが開いた。
「全く、入部希望来ないな〜おっ!」
と驚いた先生が出てきた。
「君、もしかして入部希望?」
先生は掛けていたサングラスを外した。
「いや、まあ、はい。入部希望です。」
とぎこちなく答えてしまった。
「私は、応援団部顧問、渡辺です。主に電気科3年を教えてます。君は?」
「電気科1年、浅井伸彦です。」
と、しっかり答えた。
「君、電気なのか?って事は藤田先生だね。」
と渡辺先生は話した。
「とにかく、君を歓迎したい。雄輔!新入部員だ!」
と誰かを呼んだ。すると部室の奥から出てきた。
「この子が新入部員ですか。ガタイも良いし最高です。あ、申し遅れました。自分芳野工業応援団団長の巽です。科は土木建築です。」
と、団長が挨拶してくれた。
「初めまして。電気科1年浅井伸彦です。」
俺は団長の目を見て答えた。
「まあ立ち話もなんだから中に入りなさい。」
渡辺先生は部室のなかに入れてくれた。