エンジェルデビル
そしてそれをよく見ると、それは零一ではなかった。
「!」
ただの悪魔だ。ただの悪魔が零一の格好を真似ただけの。
「た、助けてくれ!俺だって騙すつもりはなかったんだ!」
必死に懇願する悪魔。いくら部屋が暗かったとはいえ、こんな奴と零一を間違えるなんて、俺は相当どうかしてた。
「本物はどこにいる?」
「お、屋上だ」
「そうか」
悪魔の話を信じる訳ではないが、確かめる必要はある。風牙は悪魔に何もせず、振り返った。
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