エンジェルデビル

これといった確証はないが、零一は明るい世界を見ていた。
「そういえば、あいつの名前聞いてなかったな」
今朝言おうとしていたみたいだったが、アキラの電話で聞きそびれた。
「まぁ、帰って聞けばいいか」
軽く考え零一が空を見上げた時、目に黒い何かが映った。
満天の星空に映る黒い影。その影が零一の真上を通過した時、零一の頭に危険信号が灯った。
「悪魔！？」
たった一体で地上の人間の事など気にせず空を飛んでいる。今から住家に帰るのか、それとも人を襲いに行くのか。