エンジェルデビル
その人は疑いもせずに風牙の頭を撫で付ける。その人の手が優しくて、温かくて、風牙は恥ずかしくなり、口を開いた。
「あ、あの、貴女は…?」
女性は風牙から手を離し、にこやかに答えてくれた。
「私は零一の仲間のアキラ。ジャスティスの赤軍で副隊長をやってるの」
「ジャスティス…」
零一と同じ。それを聞いた瞬間、風牙はドキドキした。なるべく疑われないように話を続けた。
「今日はどうしたんですか?」
アキラさんはにこやかな表情を少し曇らせる。
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