タイムラブ
2007年、3月23日。

杉山 聖都(22)が亡くなった。

自分の誕生日に死ぬ人は一番幸せだという。

聖都は自分の誕生日に亡くなった。

主人公、伊里宮 姫菜はその聖都と幼なじみで、好きだった。


『姫~!!』

『聖都君・・・』

『オメー俺のこと君付けで呼ぶんじゃねぇよ!俺と友達になる奴は聖都と呼ぶんだ!今から聖都って呼べよ!』

『うっうん・・・。』


小学1年生の頃、私は聖都に恋をした。

聖都はいつも姫菜のことを姫と呼んでくれた。

他の人からは姫と呼ばれるのが嫌だったけど、聖都に呼ばれるのはすごく嬉しかった。


「聖都・・・聖都ッ・・・。また姫って呼んでよ・・・ッ!あたしが告白しないまま逝っちゃうなんてずるいよぉ・・・ッ・・・。うぅぅぅっ・・・・。」


あたしは聖都が入ってる棺桶の前で泣き叫んだ。

その時、喋りかけてきたのは聖都の彼女、愛羽 涙。(あいば るい。)

「あんたのほうがひどいよっ・・・!!」

衝撃の言葉に一瞬固まってしまった

「彼女がいる聖都に告白・・・!?あたしを不幸にさせるつもり・・・!?これ以上苦しい思いさせないでよ・・・。聖都があたしを捨ててあんたを選んでくれるとでも思ってたの!?自分が可愛いからきっと自分を選んでくれるだろうって!?いいかげんにしてよ!!自己中心すぎるよ・・・!」

「違うッ!」

「人には簡単に言えないからそうやって正反対のこと言って騙そうとするんでしょ?あたしいつもそれで騙されてた。もう引っ掛からない。特にあたしには絶対言えないでしょうね。」

「違う!信じて!」

「今更何信じればいいわけ!?いいかげんにしてよ!!ここから出てって!!聖都の死に泥をかけるようなことしないで!いますぐ出てって!」


涙さんの目から一粒の涙がこぼれ落ちた。

あたしはここから走り出して出て行く。

そうだよね、自分が選ばれるって思ってたのかもしれない

涙さんの言うとおり、やっぱ自己中心だよね

近くにある公園のブランコに座って、ブランコで遊ぶ。

よくここで二人で遊んだ。

ブランコの座る所にそこらに落ちてた堅い石でよく落書きをしていた。

まだ残ってる。

聖都の死を感じた。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop