いつまでも
~前へ~
3年前の事を聞き、私は源の胸で泣き続けた。会えないまま、声を聞けないまま別れていった私と窃娜。
元気な時から苦しんで死んでいくのを最後まで、みつづけて別れた、源と窃娜。
元気な声と顔を見て、次の日には、昨日とは違うかたちになって別れていった、美佐と窃娜。
そしてなにより、若くにして、愛する人をおいて一人先に逝ってしまわないといけなかった窃娜。みんなの想いが沢山のしかかり、苦しかった。みんな辛く苦しかったのに、私は一人あの日のまま止まって自分達も辛いのに私をいつも励ましてくれた二人。死んでいくその時まで、私の事を想ってくれていた窃娜。
なのに、私は一人、悲劇のヒロインぶって先に進まなかった、そんな自分に対して、のもどかしさで、いっぱいだった。
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