いつまでも
「聞いてたの?」
と私が困り顔で聞くと美佐は、笑顔で
「うん」と答え話を続けた。
「源が楓を好きなのは、昔からだし。それに窃娜も気付いてたよ。」
「えっ…。」
私が驚いていると。美佐は笑いながら言った。
「窃娜が事故した日、源がトイレに言ってるとき窃娜がいったの。『源って楓と一度も会った事無い時から楓の事好きだよな。だから俺が大岩のとこに行けない時もあいつだけは行って待ってたんだよな。俺がもし死んだとしたら、あいつだけは許してやっても良いかな、楓の隣にいる事を。あぁ、でもやっぱヤキモチ妬いて化けて出るかもな』って言ってたのよ。あの最強の二人に愛されてる楓は幸せ者だね。」
と言った。今まで窃娜の事でいっぱいで源の事なんて考えてもみなかった。よく思い出してみると窃娜がいなくなってから、いつも支えて助けてくれたのは源だった。私は大岩から飛び降りて。
「美佐、ありがとう。私、前に進むよぉ。」と言って急いで源を追い掛けた。美佐は空に向かって笑って言った。
「窃娜。化けて出るなよ。」って
< 25 / 27 >

この作品をシェア

pagetop