仮面女子高生 [短編]
あいさつ
☆★☆★☆★☆★☆★☆★

あたしはこの

教室

クラス

自分の席

窓から見える景色も

全部


が大好きだ。


それと隣の君も。

☆★☆★☆★☆★☆★☆★


「輝杪さん、おはよ」
あたしに声をかける人はこの人が初めてだった。
1年の春。
この青葉高校へ入学してきた。

そして初めて話かけてきたのは隣の…
誰だ?

「あ!まだ俺の名前知らないかー
俺は輝杪さんの隣の席の坡夜美 藤希。 よろしく」
と坡夜美と名乗る人はすごくカッコイイ笑顔であたしを見つめる。

「あ、ども。」
軽くあいさつでもしておく。

「藤希ー、行くぞっ」
と友達に呼ばれどっかへ行ってしまった。

思わずため息をついてしまうあたし。
高校では目立たないように!
超暗く☆それがあたしの高校での目標だ。

なんで?と想うだろうみなさん。
あたし輝杪綾葉は小6の頃から中学3まで悪さをしていた。
それで母親が倒れ父に怒られ高校では心を入れかえて大人しくしてるんです。

案外暗いあたしも似合ってる!?と思わず鏡を見て思ってしまった。


朝のホームルームが始まる。
担当の先生は男で結構面白い先生だ。
今日は入学してきたばかりだから
先生の話しや教科書やプリントを貰いお昼前には帰れた。

ちゃんと制服を着たのは何年振りだろうか。
第一ボタンまでしめるなんてありえないと中学の頃は思っていたあたしが昔とは全然違いちゃんと第一までしめている。
昔のあたしに今のあたしを見したらきっと
「ダサいー」とか笑いながら言っているんだろう。

家に帰ると妹が。
「お姉ちゃん!別人!人って変われるんだー」
とあたしを見て納得しているのは中学2年のあたしの馬鹿な妹の杏だ。

「そうよっ 杏も見習いなさい」
とあたしは帰って来てそうそう息苦しいリボンとボタンを外す。

「あーあ、家に帰ると昔と一緒」
杏が

「いいのー」
と荷物を持ちさっさと2階の自分の部屋へ行く

制服のままベッドに飛び込み深く呼吸をする。
この暗い子ちゃんが何日保つかちょっと心配だ。






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