時は江戸…

恋から愛へそしてゴールイン!?みたいな…いやこれからだろ!?【歳三】

「ん…」



障子を透けてトシの顔に朝日がかかる。



朝か…



自分の胸元に触れる

温かい物体に気づく。



自分の腕の中をのぞくと


オレの腕の中でマヤは


安らかな寝息を立てている。



ついさっきまで


エロい声で啼いていたのと


同一人物とは思えないほどの


安らかな寝顔だな…。




いつの間にか大人になってやがる。




オレが一人で探した答えは


間違っていたな。それは


お前が教えてくれた。




腕の中儚く壊れやすい存在が


どうしようもなく愛おしく思う

トシだった。





オレはこいつを


一生まもりたい。

だから高杉ごときで


くたばってたまるか。



そっとマヤの背中に


回した手に力を入れる。




髪に顔をうずめると、


すぅっとマヤの香りが


鼻孔に広がる。




こいつ、


良いにおいだな…。


香水のにおいじゃない。



だけど安心する。





その女性独特の香りに


自然とマヤの顔をのぞく。




「ん…」




桜色の唇から


もれるかすかな吐息。


そのときピクッと口角があがった。



まるで


幸せな夢でも見ているかのように。





かわいい…。
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