時は江戸…
「どした!?」

あたしの声泣きそうだった?

おどろいた様子の総ちゃん

「手… にぎってて」

こんなに甘えるあたしはあたしらしくない?

でも今日くらいいいでしょ


でも

この時あたしの脳裏

をかすめたのは


今日強く強く


抱きしめてくれた


トシの顔だった。


なんで…?


そんなのわかんない!!



あたしの手をにぎる総ちゃん

触れる手

こんなに大きな手だったんだ

なんて感心していたら


唐突に腕を引かれ


あたしはスッポリと


初めて感じる


総ちゃんの


香りに


包まれた。
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