うさぴょん号発進せよ
ズキズキと、身体が痛い。

(ううっ。なんかイヤ〜な夢、見ちゃったなぁ)

まだはっきりしない頭で、トヲルはうっすらと目を開ける。

眼前には、見覚えのある絨毯があった。家の居間に敷いてあるものだとすぐにわかる。

(あー、それにしてもなんだろ、この痛み。なんか背中が痛いような?特に首の辺りが痛いんだけど、もしかして寝違えたか?)

トヲルは自分がうつ伏せの状態で、絨毯の上に横になっていることに気づき、起き上がろうとした。が、瞬間凍り付く。

「よう。やっとお目覚めのようだな」

頭上で男の声がする。視界が徐々に鮮明になり、男の足も目の前に見えているのだが、顔を上げて男の顔を見る勇気がなかった。

(ひぃぃぃ〜っ!アレって夢じゃなかったのか!?しかもこの人、押し売りじゃなくて強盗っ!?)

次第に全身が硬直し、血の気が引いてくるようだった。
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