うさぴょん号発進せよ
「どうやらそう、らしいな。あの娘が何者なのかは、俺にもよく分からねぇ。だが一つ確かなのは、俺達をここへ誘き寄せたのが、あの娘らしいということだ」

「一体、何の目的で?」

「そいつは直接、本人にでも聞いてみることだな」

結局あの少女のことは、何も分からないということなのだろう。

例え少女に聞いてみたとしても、今までの会話から察するに、まともな返答が返ってくるとは思えなかった。

「くそっ、どうすりゃいい」

コウヅキはミレイユを抱きかかえながら、ぎりっと歯噛みした。

こちらには怪我人がおり、震えながら必死にしがみついているミレイユもいる。迂闊には動けなかった。

このままこうしていても、何れこの集団に取り囲まれてしまうのは分かり切っている。その前になんとしてでも、ここから脱出しなければならない。

先程タスクが言っていた制御装置は、既に集団に取り囲まれており、近づけそうになかった。となれば―。

「あの出入り口、か」

コウヅキは死体達が出てきた、扉が開いたままになっている入り口に目を移した。

その場所から地上へ繋がっているという保障はない。しかし自分達が入ってきた入口からでは、外に出ることができないのである。従って他に選択の余地はなかった。

「なんとかあそこまで辿り着くことができれば…」

それにはまず、あの十数体ある動く死体の中を越えていかなければならなかった。
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