うさぴょん号発進せよ
《我が、突破口を開こうぞ》

ペルギウスが電撃を放つのをやめ、こちらに後退しながら言ってきた。

電撃の壁はペルギウスが放つのをやめても効力が残っているのか、まだスパークが続いており、死体達の動きは封じられたままだった。

「ペル?」

トヲルはペルギウスを見た。

《あの能力の残存は、直に消える》

後ろからでも、ペルギウスが肩で荒い息をしているのが分かった。

《これが最後の機会じゃ。あと1回、我はあれを使う。その隙に、ここから脱するのじゃ》

「そんなこと出来るの?ペル」

《無論。我が前へ出たら、走るのじゃ》

「どうした?トヲル」

端からでは独り言を言っているようにしか見えないトヲルを不審に思ったのか、コウヅキが声を掛けてきた。

「ペルがまたあの電撃を使うから、その隙に逃げろって言ってるんだ、けど…」

コウヅキは話しているトヲルを、無言で凝視していた。途中でそれに気付いたトヲルの声は、段々と細く小さくなっていく。

(やっぱり、信じてはもらえないよね)

目線を逸らしながら、諦めたように息を吐く。

だが返ってきた答えは、意外なものだった。
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